二国間の異文化交流を目的とした制度で、気軽に海外での留学経験ができるワーキングホリデー。ドイツも日本のワーホリ協定国であり、滞在先としてドイツを考えている人も多いのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、現在オーストリア在住でドイツでのワーホリ経験もある筆者が、ドイツのワーホリビザ申請場所や必要書類、申請条件などを詳しく解説します。
ドイツのワーホリ申請条件
ドイツのワーキングホリデービザを申請するにあたっての最低条件は以下の3つ。
・日本国籍を有していること
・申請時に18歳以上であり31歳未満
・ 子供などの親族が同行しない
年齢制限に関しては、30歳のうちに申請すれば渡航時に31歳でも問題ありません。
ドイツのワーホリでは、3ヶ月から最長1年まで滞在が許可されています。
就労に関しては、同一雇用主のもとでは6ヶ月しか働けません。働き先を変えれば1年間就労が可能です。就学には制限がないため、最長で1年間語学学校に通えます。
ドイツのワーホリビザはどこで申請できる?
ドイツのワーキングホリデービザは、日本とドイツの両方で申請が可能です。それぞれの申請の仕方と注意点について解説します。
日本での申請場所と申請の流れ
日本でのワーホリビザ申請場所は、住んでいる都道府県により異なります。
新潟・長野・静岡より東側に住んでいる場合は東京のドイツ大使館、富山・岐阜・愛知より西側に住んでいる場合は大阪のドイツ総領事館にて申請します。
なお、出発日の3ヶ月より前の申請は受け付けていません。たとえば6月1日よりドイツでワーホリを開始したいのであれば、3月1日以降に申請しましょう。
また申請が受理されてビザが届くまで遅くて2週間はかかります。渡航前ギリギリの申請は避けましょう。書類に不備があると再提出になる可能性もあり、最悪の場合出発までにビザが届かないかもしれません。
来館時には予約が必須です。下記、ドイツ大使館・領事館のホームページにてオンライン予約ができるため、必ず予約しましょう。
ドイツ連邦共和国大使館・総領事館 来館予約システム
予約の空きはだいたい2ヶ月先くらいまでしか表示されません。時期によっては早々に予約が埋まるため注意しましょう。筆者は4月末にドイツへ出発したのですが、1月中旬に最短で2月末の予約が取れました。パスポートとビザが届いたのは1週間後です。
ドイツでの申請場所と申請の流れ
ドイツでは外国人局にて申請が可能です。街によって予約が必要な場合とそうでない場合があるほか、小さい街の外国人局ではワーホリビザの申請を受け付けていない場合もあります。
現地申請を考えている方は、滞在予定の街でワーホリビザの申請を受け付けているかどうか、予約が必要かどうかを必ずチェックしてください。
ドイツ人は日本人と同じように仕事が早く真面目、というイメージを持っている人が多いでしょう。しかし、残念ながら実際はそうでもありません。
仕事がかなり遅い、担当者によって提出書類が違うなどの事例はザラにあります。予約に関しても、メールが1ヶ月返ってこない、電話がまったく繋がらないことも珍しくありません。申請したはいいものの、ビザが全然届かないなんていうことも。
日本人はビザなしでドイツに90日間滞在できますが、入国したらなるべく早めにビザ申請へ動き出すのをおすすめします。
ドイツのワーホリ申請に必要な書類
ワーキングホリデービザの申請時に必要な書類は以下の10点です。
・Web版長期ビザ申請書
・誓約書
・パスポート返送用のレターパックプラスもしくはA4封筒
・パスポート用写真
・パスポート原本とコピー
・往復航空券予約の証明書
・ワーホリ用の医療保険と旅行賠償責任保険の証明書
・生活費支払い能力の証明書のコピー
・志望動機
・履歴書
なお、ドイツで申請する場合は現地の住民票も必要です。
ここからは各書類について詳しく解説します。
Web版長期ビザ申請書(VIDEX)
Web版長期ビザ申請書はドイツ大使館・領事館のホームページ上にてオンラインで記入できます。ドイツ語と英語が選択できるため、ドイツ語ができなくても問題ありません。
すべて記入を終えたらPDFをダウンロードして印刷し、署名欄に署名して提出します。なお、署名は必ずパスポート内と同じ署名を使用しましょう。
もし間違っていたり抜け落ちたりしていても、大使館で申請する際に担当の方が手書きで訂正してくれるため、あまり気にしなくても大丈夫です。
誓約書
ドイツ大使館・領事館のホームページ上でダウンロードできます。
内容を読んで署名するだけなので特に難しいことはありません。VIDEXと同じく、署名は必ずパスポート内と同じ署名を使用しましょう。
返送用レターパックプラスもしくはA4封筒
東京にあるドイツ大使館に申請に行く場合、パスポートの受け取りは郵送のみです。返送には希望の返信先を記載したレターパックプラスを提出する必要があります。
大阪の総領事館では直接の受け取りが可能です。郵送を希望する場合は宅急便の着払いで届くため、希望の返信先を記載したA4の封筒を提出してください。
パスポート用写真
パスポート写真のサイズは35x45mmです。一般的な証明写真機であれば、サイズ選択でパスポート用が選択できます。前髪で目が隠れていたり、メガネが反射していたりなどしていると撮り直しになります。
日本国のパスポートとコピー
パスポートは原本とコピー1部の両方を提出します。パスポートは3ヵ月以上有効期限の残っているものでなければいけません。有効期限がギリギリの場合は、申請前に更新しましょう。
コピーはA4サイズで、名前と写真が記載されているページをコピーしてください。
往復航空券予約の証明書
往復の航空券を予約したことがわかるページを印刷して提出します。片道航空券でも申請はできますが、その場合残高証明で2倍の金額が必要です。
ワーホリビザの申請が通るか心配な方は、その場で購入するのではなく予約だけしておくのも良いでしょう。帰る日をまだ決めていない方はオープンチケットを購入するのもひとつの手です。
ワーホリ用医療保険と旅行賠償責任保険の証明書
保険証もしくは保険に加入したことがわかる証明書と、保険費用を払ったことがわかる領収書を提出してください。
医療保険は歯科治療と、女性の場合は妊娠時の治療にも適用されるものでなければなりません。ドイツのワーキングホリデーでメジャーな保険はドクターヴァルター(DR-WALTER)やケアコンセプト(Care Concept)、ステップイン(Stepin)などが挙げられます。
生活費支払い能力の証明
ワーホリでドイツに1年間滞在する場合は、最低2000ユーロ(2024年6月現在で34万円前後)の資金証明が必要です。
銀行の通帳やネットバンキングの明細の3ヶ月分を、必ず申請の前日にコピーして提出します。また名義人の名前が書いてあるページも印刷して提出してください。
なお前述の通り、片道航空券しか購入していない場合は2倍の金額、つまり4000ユーロ(68万円前後)の資金証明が求められます。
志望動機
英語もしくはドイツ語で志望動機を書いて提出します。形式は自由です。
志望動機では過去のドイツ滞在歴と入国後の具体的な予定、帰国後の就労内容を記載する必要があります。
ワーホリはあくまで海外で余暇を過ごすことを目的としたビザであるため、志望動機では帰国の意思を見せる必要があります。たとえ本心であっても「ドイツでそのまま働きたい」などと書いてはいけません。
志望動機書の書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【例文あり】ドイツワーホリ志望動機の書き方を徹底解説!ドイツ語での例文、書くべきことも紹介
履歴書
志望動機と同様に自由形式で、英語もしくはドイツ語で提出してください。
英語やドイツ語で検索するとさまざまな履歴書のサンプルが見つかるため、参考にすると良いでしょう。
ドイツでワーホリしよう
事前準備や必要書類が多く感じられますが、日本であればワーホリビザは申請してしまえばあっという間です。日本でもドイツでも、申請の予約だけはなるべく早めに済ませましょう。
オーストリア在住のお酒大好きなフリーランスの音楽家兼Webライター。お酒以外の趣味は、アニメ、漫画、ゲーム。犬が好き。
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