「ドイツ語を勉強し始めたけど、なかなか上達しない」「文法だけじゃなく聞き取りや会話も独学で習得したいけど、どうすればいい?」とドイツ語の勉強方法について悩んでいる人は多いのではないでしょうか?英語ほど教材が多いわけではないので、困りますよね。
今回は、ドイツ語圏に計6年以上住んでいる筆者が実際に行っているドイツ語の勉強方法について解説します。
ドイツ語の教材や本で勉強する方法
ドイツ語の教材や本は文法の勉強や練習、リーディングの向上にぴったりです。昨今ではアプリやオンラインサイトを使って勉強する人も多いと思いますが、自分の手を使って書きながら勉強する教材はより頭に入ってきやすいでしょう。
ここからは筆者が実際に使用している教材や本をいくつか紹介します。
しっかり身につくドイツ語トレーニングブック
ドイツ語の文法を練習問題で実践しながら学べます。解説がわかりやすく、且つ練習問題がとにかくたくさん入っているので、この一冊だけでも基本的なドイツ語は十分に身に付きます。付属のCDで単語の発音が確認できるのも嬉しいポイントです。
場面別 ディアロークで身につけるドイツ語単語4000
ドイツ語の単語を、実際に日常で使う会話と一緒に学べます。単語のレベルはやさしめですが、語学学校などでは習わない会話が勉強できるのでドイツ語中級者にもおすすめです。
ドイツ語エッセイ 笑うときにも真面目なんです
「ドイツ語で本を読みたいけど初心者だから難しい」「でも絵本はちょっと…」なんて方におすすめしたいのが、ドイツ語のエッセイ。本書はドイツ出身で日本在住の日本語ペラペラなドイツ人の著者が、ドイツ人の「あるある」をユーモアたっぷりに語っています。
日本語訳と単語の意味、朗読音声が付いているため、初心者でも苦労せずに読めます。Kindleでも販売されていますが、個人的には本の方がスッキリとしていてわかりやすく、直接メモ書きできるためおすすめ。もちろん個人差があると思うので、自分に合う方を選びましょう。
映画やドラマをドイツ語で観て勉強する方法
筆者はドイツ語のリスニングと単語や言い回しの勉強、そしてスピーキングの練習として動画配信サービスを活用しています。ドイツ語字幕やドイツ語音声を活用すれば、映画を楽しみながらドイツ語が学べます。
筆者のおすすめは、すでに日本語で観たことのある映画をドイツ語字幕もしくはドイツ語音声、もしくは両方で観ること。すでに内容を知っているためスッと頭に入ってきやすく、ドイツ語での言い回しも学べます。
映画を何回かドイツ語音声で観たら、イヤホンなどで聞きながらセリフを復唱してみる、いわゆるシャドーイングをすればスピーキングの練習にもなります。
ではどの動画配信サービスがおすすめなのか、実際に筆者が使用している動画配信サービスを紹介します。
ディズニープラス
ディズニープラスには、ドイツ語音声とドイツ語字幕が選べる映画やドラマが多数配信されています。ドイツ語音声&字幕で観られる映画作品はたとえば以下の通り。
昔のアニメ映画作品:『リトル・マーメイド』『アラジン』『ライオン・キング』など
アニメの実写化作品:『アラジン』『美女と野獣』『シンデレラ』など
ミュージカル映画作品:『グレイテスト・ショーマン』『魔法にかけられて』『ハイスクール・ミュージカル』など
マーベル作品:『デッドプール』『アベンジャーズ エンドゲーム』『マイティ・ソー』など
スターウォーズ作品:『ファントム・メナス』『ローグ・ワン』『最後のジェダイ』など
有名映画作品:『タイタニック』『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズ、『インディ・ジョーンズ』シリーズなど
残念ながら日本のアニメと、近年に公開されたディズニーアニメ映画、たとえば『アナと雪の女王』や『ズートピア』などにはドイツ語音声&字幕はありません。しかし、言ってしまえばそれ以外のジャンルではほぼすべての映画でドイツ語音声&字幕が選択できます。
Netflix
世界でシェア率ナンバーワンを誇るNetflix。しかしドイツ語音声&字幕の両方が存在するものは意外と少なく、字幕のみ、もしくは音声のみなどの作品が多い印象です。筆者が確認した限りではドイツ語音声&字幕で観られる邦画はほぼゼロ。
アニメ作品:『ヴァイオレット・エヴァーガーデン』『極主夫道』『ジョジョの奇妙な冒険』など
韓国ドラマ作品:『愛の不時着』『ヴィンチェンツォ』など
日本ドラマ作品(字幕のみ):『VIVANT』『アンナチュラル』『最愛』など
欧米映画:『ジュラシック・ワールド』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ハンニバル』など
そこで筆者おすすめなのが、VPNを使って日本からドイツのNetflixにアクセスすること。ドイツのNetflixにアクセスすれば、もちろんすべての映画がドイツ語で観られます。しかし、なにより最高なのがジブリ作品を観られること!
ジブリ映画を観たことがない、もしくはキライな日本人はあまりいないのではないでしょうか。ジブリ映画であれば親しみやすく、特に『魔女の宅急便』や『となりのトトロ』『耳をすませば』は日常生活で使う会話もたくさん出てくるので、ドイツ語の勉強にもってこい。
ちなみに筆者が実際に確認したところ、残念ながらディズニープラスはVPNを繋いでの視聴がブロックされているようで、ドイツのディズニープラスは観られませんでした。VPNを繋いでドイツのNetflixが観られることは筆者が確認済みなので安心してください。
ドイツ語の勉強にはVPN接続がおすすめ
VPNとは、通信を暗号化してインターネットを安全に使用するための仮想プライベートネットワークのこと。
VPNでは海外のサーバーに自由にアクセスできます。ドイツ国内でしかアクセスできないドイツのサイトでも、VPNを使えばドイツのサーバーに繋いでアクセスできるのです。反対に、ドイツにいながら日本のサーバーを使って日本のサイトにアクセスも可能です。
オーストリア在住の筆者は、VPNを使って日本の動画配信サービスを利用しているよ。日本帰国時は、逆にVPNを使ってオーストリアのNetflixにアクセス!
ではここからはおすすめのVPNについて紹介します。筆者が実際に使用しているVPNも紹介するのでぜひ参考にしてください。
セカイVPN
プラン | 月額1100円 |
接続可能な国 | 10ヶ国 |
特徴 | 日本企業が運営 最大2ヵ月無料 |
株式会社インターリンクが提供しているVPNサービス。サーバー接続が可能な国は日本・アメリカ・ドイツ・台湾・韓国など10ヶ国です。
セカイVPN 最大のポイントは、2ヶ月間の無料体験ができるところ。VPNを使用するのが初めてという方がお試しで使用するのにぴったりです。
MillenVPN
プラン | 2年プラン:月額396円 1年プラン:月額594円 |
接続可能な国 | 50ヶ国以上 |
特徴 | 日本企業が運営 7日・15日・30日のプランもあり |
アメリカやオーストラリアなど世界50以上もの国のサーバーに接続できます。日本企業のアズポケット株式会社が運営しているため、不具合があった場合は日本語で問い合わせができます。
筆者はMillenVPN を使用しています。接続方法が簡単でおすすめ!
MillenVPNでは、VPNを接続した際の通信内容や使用状況をログに保存しないという「ノーログポリシー」を掲げています。VPN会社によってはノーログポリシーについて明記していません。接続ログを運営元に見られる心配があるなか、MillenVPNであればその点も安心です。
サイトにはMillenVPNで接続できるVODサービスについて細かく記載があるため、契約後に「○○に接続できなかった!」という心配もありません。
ExpressVPN
プラン | 1ヵ月プラン:月額12.95$ 6ヵ月プラン:月額9.99$ 12か月プラン:月額6.67$+3ヶ月無料 |
接続可能な国 | 105ヶ国 |
特徴 | 6ヵ月プランが選べる 日本語での問い合わせ可 |
多くのVPNサービスで数日や1ヶ月などの短期プランと年単位の長期プランしか提供していないなか、6ヶ月プランが選べるのがExpressVPN
世界105ヶ国のサーバーが利用できます。年間プランを契約すると、3ヶ月分が無料になるのも嬉しいポイントのひとつ。
ExpressVPNではサービス改善のために一部情報を収集すると記載がありますが、個人を特定するものではありません。ノーログポリシーについてはサイトに詳しい記載があるため、プライバシーが心配な人も安心できるでしょう。
NordVPN
プラン | ウルトラプラン:月額6.59€ コンプリートプラン:月額4.99€ プラスプラン:月額3.99€ ベーシックプラン:月額3.09€ |
接続可能な国 | 111ヶ国 |
特徴 | サービスに合わせた細かな料金体系 |
NordVPN は世界111ヶ国のサーバーにアクセスできて、サーバー設置数が6400以上と世界トップクラスを誇る国内外で人気のVPNサービスです。
他のVPNサービスと比べて料金体系が細かく分かれており、自身にあったプランを選択できます。ノーログポリシーについてもきちんと記載があります。
ドイツ語ネイティブのタンデムパートナーと勉強する方法
お互いの母国語、もしくは得意な言語を教え合うためのパートナーをタンデムパートナーと言います。たとえば筆者であれば、ドイツ語が母国語レベルで日本語を習いたい人と一緒に勉強します。ネイティブとの交流は生きたドイツ語を学べるチャンスであり、言語能力の向上に欠かせません。
筆者は週1または月2、3のペースで実際にタンデムパートナーと会い、一緒に勉強しています。勉強の仕方はタンデムパートナーと相談して決めましょう。
では、タンデムパートナーはどうやって探すのか、紹介します。
言語交換アプリで探す
筆者のおすすめは「Hello Talk」でタンデムパートナーを探すこと。「Hello Talk」は世界中の人々と言語交換ができるアプリで、ネイティブとチャットしたりタイムラインに文章やボイスを投稿したりできます。
「Hello Talk」であれば、現地に住んでいるネイティブのタンデムパートナーを見つけるだけでなく、日本に住んでいるドイツ人も比較的簡単に見つけられるため直接会って一緒に勉強することも可能です。
筆者はオーストリアでのタンデムパートナーを「Hello Talk」で見つけたことがあります。ただし出会い目的の人もまれにいるため、特に女性は注意しましょう。
そのほか、ドイツ語のタンデムパートナーを探せる言語交換アプリを2つ掲載します。
コミュニティに所属して探す
日本とドイツのコミュニティに所属して探すのもひとつの手段です。公益社団法人日独協会は、所属している年齢層も広く、ネイティブのみならず同じくドイツ語を勉強している日本人とも知り合えます。
Facebookでもさまざまなコミュニティがあるため、探してみると良いでしょう。
ドイツ語勉強アプリで勉強する方法
最近ではさまざまなアプリでドイツ語の勉強ができます。無料で提供されているアプリも多数あり、独学で安く勉強したい人におすすめです。ここからは筆者が具体的に使用していたアプリを2つ紹介します。
DW Lernen German
ドイツの国際放送局のDW(Deutsche Welle)が提供している無料のアプリ。A1からC2までのレベルに対応しています。単語や文法の勉強、リスニングの練習などができるほか、勉強を通じてドイツの生活や仕事などについても学べます。
筆者のおすすめはB2レベルのコースにある「Langsam Gesprochene Nachrichten」。ゆっくりとしたテンポかつわかりやすい発音でドイツのニュースを聞くことが可能です。読み上げられている内容は文章でも確認できます。
ちなみにYouTubeチャンネル「Deutsch lernen mit der DW」ではアプリと同じ動画コンテンツが観られます。
Readle ドイツ語:読解、聴解、辞書、単語学習これ一つ
わからない単語の日本語訳を瞬時に確認しながら、ドイツ語でニュースやストーリーを聞ける&読めるアプリです。A1からC1まであり、初心者の方でもスラスラと読み進められるのがポイント。重要な文法や動詞の活用形、発音などもその場で確認できます。
一部のA1とA2レベル以外のニュースはすべて有料コンテンツで、年額プランであれば月にかかる金額は658円とコンテンツの充実度に比べてかなりお得です。7日間無料でお試しができるので、ぜひダウンロードしてみてください。
筆者も年額プランに登録して勉強していました!読み上げるスピードを遅くすることもできて、リーディング&リスニングの練習に最適です。
YouTubeのドイツ語勉強チャンネルで勉強する方法
独学でお金をかけずに勉強したいなら、YouTubeチャンネルも外せません。昨今では、ネイティブがさまざまなドイツ語勉強チャンネルを運営しています。ではどのチャンネルが良いのか、実際に筆者が観ているチャンネルを紹介します。
Easy German
チャンネル登録者数210万人以上を誇る、ドイツ語学習チャンネルです。ドイツの街で、実際にネイティブや現地に住んでいる人にインタビューしている様子が見られます。
英語の字幕付きで、インタビューのテーマは日常の簡単なものから政治やお金の話までさまざまです。生きたドイツ語を学べるだけでなく、ドイツやオーストリアでの日常生活が見えるのも大きな特徴のひとつ。
最近では「Slow German」と題して、いつもの動画よりもかなりゆっくりとしたテンポで話す動画もあがっており、初心者にもぴったりです。
筆者もこのチャンネルにもう何年もお世話になっています。ポッドキャストもあります!
Hallo Deutschschule
初心者向けの日常で使えるドイツ語がダイアローグで学べます。チャンネル登録者数は119万人です。ダイアローグは非常にゆっくりで日本語字幕もあるため、まったくの初心者でも安心して学べるでしょう。
すべての方法を組み合わせてドイツ語を勉強しよう
リスニング、リーディング、ヒアリング、スピーキングをすべて網羅するためには、ひとつの方法だけでは十分ではありません。ドイツ語を本気で習得したいのであれば、今回紹介した勉強方法をすべて組み合わせて勉強することをおすすめします。
オーストリア在住のお酒大好きなフリーランスの音楽家兼Webライター。お酒以外の趣味は、アニメ、漫画、ゲーム。犬が好き。
ちなみに筆者は日常生活で特に困らない程度の語学力で、B2の資格を取得しています。ネイティブの友人たちとも問題なく談笑できます。C1は証明が必要な場面に遭遇していないため、試験を受けたことがありません。